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千年越しの恋情記 【鬼滅の刃】

第11章 急務の呼吸




何度か木をへし折り、地面に叩きつけられ、そのまま転がるように地に落ちる

…まだ薬の効力が完全に切れていないため、怪我の治りが遅すぎる…


正直言って滅茶苦茶に痛い。四肢が繋がっているのが奇跡だが、すぐに起き上がってその場から退く



「はぁッ…はぁッ……容赦ないなー…」

「貴様に容赦など無用だ。あのお方への忠義がないのなら死ね」

「忠義を誓ったところで人間が助かるわけじゃない。そんなものは犬にでも食わせておけ」

「…否応にも人の味方をするのか…なんて醜い…その頸、ねじ切ってやろう」

「殺せるものならやってみなよ。頸は何度も落としたことあるけど、生憎死ねた試しがないんでね。…おもちゃくらいにはなってやる」



時期柱たちがここへやってくる

どのみち刀がなければ私には鬼を滅せない…私の刀を持って来ようとしている鴉の到着はもう待てない…

詰み、だ…

でも負けじゃない。この鬼は私一人に怒りを露わにしている…このまま煽り続けていれば私が死ぬまで殴殺の限りを尽くすだろう

その間に柱が来れば…あの子達が来てくれれば、まだ勝機はある


治癒が遅く、まだ痛む体に鞭を打って立ち上がると、上弦の参は一直線に拳を振りかざしてくる

せめて受け止めようと、片手を伸ばした途端

その手は拳を掴むことなく、代わりに鈍い痛みを突きつけられ、背後の木に打ち付けられた


先ほど折った私の刀の刃で私の手を木に突き刺していた



「頸を落としても死なないと言ったな…別に珍しいことでもない。鬼にとって一番の苦痛は…」

「…ッ!」



口元を手で抑えられて、反対の手で拳を作る姿を見て、次に来るであろう激痛に顔を顰める

バキィッ…と、聞きなれない音が辺りに響く

…次の瞬間、上弦の参の右腕は私の腹部を貫通して背後の木にも穴を開けていた


一瞬遅れてやってくる激痛と、逆流してくる血を勢いよく吐き出す
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