第2章 再会…*
「君は忘れてるかもしれないけど俺たち前にあってんだけどなぁ」
『…え?前にですか…?』
「懐かしいなぁ、前にも君はこんな感じで隠れて泣いてたんだよ♪今の社長に追われててね」
私は小さい時の記憶を思い出した
そうだ私には子供のときはちゃんと両親がいた
でも吉原に売られそうになって逃げたんだ…
恐い男の人たちが逃げても逃げても追ってくる日々
前にもこんな風に隠れていた
泣き叫びたい気持ちを押し殺して…
そういえばその時私を助けてくれた人がいたんだ…
神威だ!
沢山の男の人たちの声が聞こえていたのにいきなり静かになり恐る恐る外をみるとそこは血の海になっていた
優しく手を差し出してくれた男が神威だった
まさかあの人が神威だったなんて…
しかもご主人様が前に私を買おうとしていた人だった…
ショックが大きすぎて言葉にならなかった
「君の様子はその時から見ていたよ、子どもだったしその根性将来が楽しみだったからね」
『私…あなたしか頼れる人いなかったのに…っ』
その瞬間涙が出た
久々に忘れかけていた人間らしい感情が止まらなかった
ずっと一人だと思っていたけど私のことを気にしていてくれて見守っていてくれたことがすごく嬉しかった
「じゃぁこれからは俺とずっといようか」
『どういう意味ですか?』
「春雨に入って俺のそばにいなよー♪君のこと前から気に入ってたからさ、俺の言うこと聞いてくれるよね?」
『は、はい』
神威に涙を拭われ抱き抱えられた
私の顔を見てにっこり笑う。この人笑顔が恐い…
「じゃぁまずはスッキリさせないとね」
『はい?』
「あいつら殺しちゃうぞ♪」