第1章 感情のないマリオネット…*
「おいわたしのいいつけ通りやるんだぞ」
『…はい。わかりました。ご主人様』
ここは江戸一番の大財閥神城屋
どこから見ても見えるほどの大きなビル
私は神城屋のメイド兼使用人としてここで働いている
行く宛もない私を拾ってここで働かせてくれた社長、ご主人様に感謝している
ご主人様は何の仕事をやっているのかわからない
それでも構わない…恩人だから…
私は物心ついた時から1人で生きてきた
他の使用人が笑ったり怒ったりしていても私は表情1つ変えない…そういう感情がわからないから
周りの人たちは陰で私を生きたマリオネットと呼ぶ…
ある時、神城屋に見慣れない男二人がやってきた
「やぁ、社長室どこ?」
『ご、ご案内いたします』
その人は三つ編みをした綺麗な顔だちをしている
案内している途中後ろをみるとずっとにこにこしている…
私とは違う…
『あの、どうして笑っていられるんですか?』
「んーなんかうずうずしてるから」
不思議な人…でも表情変えないのは私と似てるかも
ずっと笑顔で疲れないのかな
そう思いつつ社長室の前についた