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【R18】噛まれて、啼いて

第2章 想定外


「可愛い……。
その涙で濡れた顔、興奮する。
もっと見せて」
「やっ、あぁ、はずかし、んん……」
「えろ……」


唇の端を舐める春くんにドキリとする。
もっと貪られたい。
私を満たして。


「やべ、出そう」


余裕がなさそうに眉根を寄せた春くんが愛おしくて、笑った。
イッても良いよ、と。


「渚……好きだよ」
「っ……!」


好きと言われて、私の身体が疼いたのが分かった。
その場限りの嘘だって分かってるのに、ときめいちゃうなんて、我ながらなんて単純なの。
恋心なんてとっくに無くなったと思ってたのに。


「渚さん愛情に飢えてるの?」
「どうして?」
「好きって言ったら凄く締めつけて来たから」
「っ、そ、そう」
「好きだよ」


顔を固定されて、目を逸らせない状態で言われ、頭が回らなかった。
心臓が煩い程に鼓動し始め、顔に熱が籠る。


「ふは、顔真っ赤、可愛い」


八重歯を見せながら笑うその姿は悪戯に成功した子供のようで。
冗談な筈なのに、本気にしてしまいそうな自分が居た。


「ねぇ、春くん」
「渚さん、今日はありがとね。
俺から誘ったんだし、俺が払うよ」
「え?あ、うん」


服を来て、財布を片手に出口へ向かおうとする。


「春くん、良かったらまた……」
「お姉さん、一夜の関係の意味、分かるデショ」
「……うん、そうよね、ごめん。
支度すぐ済ませちゃうからちょっとだけ待ってね」
「はーい」
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