第7章 ざわつく気持ち《後日談》
次の朝、未来が目を覚ますと銀時は襖に背中を預けて縁側に座っていた
ずっと付き添ってくれていたことに、じわじわと温かい気持ちでいっぱいになる
銀時のいる縁側の方へ身体ごと横向きにして、銀時の様子を盗み見る
昨夜の銀時とのことを思い出して、どんな顔をして声をかければ良いのか迷ってしまう
(銀ちゃん、大人の男の人って感じだったな…。あの色気は反則だよ…っ。それに…)
自分の知らなかった銀時の一面を思い出して、また鼓動が少し速くなってきた
(あんなキスするなんて…ずるい)
ますます銀時へ声をかけられなくなってしまった未来
ぐるぐると考え込んでいると近藤の声が聞こえてきた
「よお、万事屋。なんだァ、相変わらず朝から締まりのない顔だな。どうだ、未来ちゃんの様子は?」
近藤は未来のいる部屋を覗かず、銀時に様子を聞いた
「俺なんかに聞くより自分で確かめりゃァ良いじゃねェか」
「お前は良いのかよ、惚れた女の寝ている姿を他の男に見られても」
近藤の気遣いが鬱陶しい銀時は小さく舌打ちをした
「熱も下がって落ち着いた。もう大丈夫なんじゃねェか」
"惚れた女"を否定せず、ぶっきら棒に答える銀時に笑いが堪えきれなかった
「ははは!そうかそうか、それなら良かった!」
「声でけェよ…、あいつが起きんだろ」
「すまんすまん。俺たちにとっても未来ちゃんは大事な仲間だ。しっかり守ってやれよ」
「はいはい。お前に言われるまでもねェよ」
朝から暑苦しい近藤にあしらうような返事をする銀時