第5章 とある一日
「相変わらず騒がしい奴らだな」
「ふふ。でも元気そうで良かった」
桂達が走っていった方向を眺めながら、未来は呟いた
「銀ちゃんも」
「あ?」
「銀ちゃんには新八くんや神楽ちゃん達が居て、桂くんにはエリザベスが居て、本当に良かったなって」
少し前を歩く未来
そう話す未来の表情が夕陽のせいで見えない
陰りを含んだ言葉に銀時は未来の腕を掴んだ
「お前には俺がいるだろ」
いつもと違う真剣な銀時に驚く未来
「…嬉しい。ありがとう」
未来の笑顔に安堵すると、掴んでいた腕から掌にするりと握り変えて、銀時は未来の方は見ずに歩き出した
その行動に未来は目を大きくした後、嬉しさのあまり顔がほころんでしまう
夕陽が今度は銀時の耳まで赤く照らしているようだった
とある一日 -fin.-