第18章 あなたらしい優しさ
なんだかんだと未来が屯所を出るのは二十二時前になっていた
(何か買って行こうかな)
屯所の門をくぐり出ると、遠くの方から近づいてくる足音が聞こえてきた
その音の方を見てみると、見覚えのある赤いマフラーをした影があった
「え…銀ちゃん!」
「よう…。何やってんだ、こんなところで」
相変わらず無気力な返事をする銀時
「何やってって…銀ちゃんこそ、みんなで飲んでたんじゃ…」
「あー、あれだ。酒が足りねェから買い出しだ。ババア、人使い荒いんだよ」
「ふふ、そっか。じゃあ一緒に買いに行こう?」
ふっ、と笑う銀時の横顔
二人で歩く夜道
手を伸ばせばすぐ届くところにいる
この距離間が心地よく感じるのは、銀時の優しさが伝わってくるから
このままでいい
どうか、こんな日々が続きますように…