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dearest moment

第2章 合同任務


 萌の所属する十三番隊が九番隊との合同任務に就くことになった。両隊の隊長が不在なため、修兵が全体の指揮統括を任される。任務内容は現世で大量発生した虚退治だ。
 萌も隊に指示し、気を配りながらの戦闘になった。敵の数はなかなかに多く囲まれた虚から攻撃を受け傷を負ってしまう。なおも迫り来る虚に押されながらも応戦していると。

「大丈夫か!?」

 そこへ修兵率いる特攻隊が駆け付け助けられる。九番隊の援護もあり任務は何とか終了した。



「負傷者を先に四番隊救護詰所へ運べ!残りの者は各隊舎へ帰還しろ!では…解錠!」

 修兵の号令で周りの隊員が迅速に動き出した。萌も指示に従い、隊の様子を見て回る。

「お疲れ様でした。手伝える人は怪我した人に手を貸してあげて下さい」
「…おい」

 十三番隊隊士の負傷者の確認をしていると、不意に修兵から声を掛けられる。

「お前も怪我してんだろ」
「痛っ…」

 ぐいと腕を取られ痛みに顔を歪める。虚に斬られた箇所から血が細く流れ出した。

「すぐに救護室へ行け」
「あたしより…隊のみんなを先に」

 とりあえず止血をすれば大事には至らない。もっと酷い怪我を負った隊士もいる。隊を導く立場にある自分が我先に治療する気はなかった。
 修兵はじっと萌を見つめていたが、素早く決断しその場を取り纏めた。

「…分かった、お前は俺と一緒に来い」



 応急処置だけされ、最後まで修兵と共に隊員の帰還を確認した後尸魂界へ戻る。そのまま九番隊へ行くと、もろもろの指示をし終えた修兵が萌を副隊長室へ促した。

「隊士から連絡が来た。怪我人は皆治療を受けてるそうだ」
「ありがとうございます」

 気がかりだった十三番隊の様子を教えてくれる修兵。

「あとは心配ねえな。とりあえず座って、腕出して」

 責任感から解放されてややリラックスしたのか、修兵は任務時とはまた違う雰囲気だ。きょとんとする萌にニッと笑いかけてくる。

「俺が診てやるよ」

 救急箱を取り出すと、修兵が椅子を持って向かいに座る。急に距離が縮まり緊張し始める萌。平静でいるよう努めながら死覇装の袖を捲った。





















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