第3章 青の瞳
トアの声を聞きながら溜息を吐く。
授業内容は頭に何も入ってこず、また何度目かの溜息を吐いた。
「はい」
突然すぐ前から声がしてそちらに顔を上げると、不機嫌気味に立つトアがいた。じっと見つめていると凛とした声が教室内に響いた。
「お前やる気あるのか」
その言葉に速攻で返す。
「いいえ、ありません」
そう言った瞬間、女子生徒たちが中傷し始める。それを軽く無視していると今度はトアが溜息を吐き始めた。
「もういい」
教卓の前に戻り教科書に視線を戻す。
「お前ら静かにしろ。続きをするぞ」
ぼーっとしているとまた声がかかり、虚空を見ていた視線をトアに向ける。
「はい……?」
そっと立ち上がりおぼつかない足取りで教室を出る天月。
夜の風に吹かれながらゆっくり歩く。
夜の学校は暗く外観を見ると気味が悪く、背にぞくりと悪寒が走る。
「うわ、こっわ!」