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ちょっと過保護すぎるんだけど?

第1章 1


そうこうしていると高台にあるお邸が見えてきた。

お嬢様は遠慮がちに、少しは役に立ったかどうか訊いてみた。

川島に褒められたい。
些細なことでもいい、必要とされたい。
ただそれだけだった。

「はい、楽をさせていただきました。またお願いするかもしれません」

車をガレージに入れ終えると、微笑みながらまたやさしい目で川島が言った。

自分を見る川島の、このまなざしが泣きたくなるほどすきだ、とお嬢様は思う。

自分は愛されている。
これ以上ないどほど愛されていると感じる。
川島のまなざし、ひとつだけで……。

手を握られたときの力強さと車内での胸の高鳴りを思い出し、今度もまたギアチェンジの手伝いをせがもうと決めた。

その意図に川島はきっと気づかない。

言動を穿って読んだりせず、そのまま受け止めてくれるのが彼という人間なのだ。

そんな川島を、お嬢様は自分のすべてを捧げてもいいと誓えるほど、愛おしく思った。


これから川島は食事の準備をするはずだ。

またなにか手伝わせてもらおう。
今度はもっと、ちゃんと役に立てることを。

いつの間にか雨は上がっていた。

お嬢様はウキウキと逸(はや)る気持ちで、荷物を抱え玄関へ向かう川島の背を押した。

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