• テキストサイズ

伝説のヒプノシスマイク

第6章 Buster Bros!!! 山田三郎


頭が痛い.......
ガンガンと鳴り響く様な痛みの中、幼い頃の記憶が不意に蘇る。

マリア『はぁ.......はぁ.......い゙っ.....』
父が大物政治家だったが故に幼い私は大人たちの標的だった。
10歳の時、誘拐された事がある。
暗い倉庫に閉じ込められた。
殴られて、罵られて。
痛くて痛くて.......でも誰も助けてくれなかった。
絶望感が襲いかかり、頭が真っ白になる。
失禁するような痛みに耐えながら、思った。思ってしまった。

〝こいつらを今ここで殺せば私は助かる〟

体が勝手に動いた。
ヒプノシスマイクを握り、相手に言葉の刃をぶつける。
手加減する余裕なんてなかった。
相手が血反吐を吐いても止めなかった。
きっと私は恐怖心が限界を超え、狂っていたのだろう。
とどめを刺そうとした時.......
倉庫に光が差し込んだ。
無花果「マリア!!」
マリア『.......ねぇ....さま.......?』
無花果「あぁ.......よかった.......」
姉様は私を両手で抱きしめた。
マリア『わた、私は.......』
無花果「いいんだ。もう.......大丈夫だよ」

優しい姉様の声に安堵し、そのまま気絶した。
それからだ。
姉様が私たち兄弟を異常までに愛してくれたのは。
私は、姉様が全て正しいと。
姉様が正義だと、疑いもしなかった。
でも.......あの時。
何が正義で何が正しいかなんて.......分からなくなった。
ねぇ姉様。
私は何を信じればいいの?
何時まで経ってもワカラナイ。
ノイズがかかったように記憶が途切れる。


パチリと目を覚ました。
マリア『.......あれ...?じろーは.......』
時計を見れば11時を過ぎていた。
マリア『あ゙っ.......!?うそでしょ!?とりあえず着替えなきゃ!』

バタバタと走りながらいつもより遅めの一日が始まった。

/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp