第12章 一織夢2(クラスメイト) ※微裏
ガチャと、玄関の扉を開ける。
「ただいまー」
「おータマお帰り…ん?」
少し驚いた顔の、二階堂さんがいた。
「お、おじゃまします」
「あ、夢野ってクラスメイト連れてきた、いおりんに客」
「ほー…」
「環!いいときに帰ってきたな、今ホットケーキできたとこだぞ」
「おおっミッキー、サンキュウ」
「ん?お客さん…?」
「おー、クラスメイトの夢野。いおりんに話あって
」
「ま、いいや皆座って、くまさんホットケーキ食え!ほらっ君もっ」
三月さんに促され、席につきホットケーキを戴く。
「え、は、はい、いただきます!」
その時、ガチャと和泉くんが、部屋から出てきた。
「何ですか、騒々しいですね…って!なんでっ」
私をみつけ、和泉くんが驚いた声をあげた。
「和泉くん、おじゃましてます…」
「俺が連れてきた。いおりん、いい加減、夢野にはっきり言ってやれよ」
「…何がですか」
「だーかーら…、好きなら好きってさ…」
「「えええー!?」」
三月さんと二階堂さんが、揃って声をあげた。
「何、どういうこと?若者達、青春しちゃってんの?」
「が、外野は黙ってて下さい」
和泉くんが慌てて、二階堂さんに言う。
「あのさ…い、和泉くん私達って、どういう関係なの…?」
「ど、どうって…だから、言ったじゃないですか…あの時から、こ、恋人だと思ってたんですけど…っ」
真っ赤になって、和泉くんが答えた。
「えっ…そうなの!?」
「えっ…違うんですか!?」
「だー、ちゃんと言えよし、いおりん」
「そうだぞ、一織、男ならビシッと決めろ」
「はー、なんかすごいな高校生…」
すると、和泉くんは一呼吸して、キリッとした表情で、私を真剣にみた。
「だから、あなたのこと、好きでしかたないんですよっ」
「い、和泉くん……っえ、はじめてきいた」
「今言いました」
「あー、うん。私も和泉くんが好きです。これからよろしく…」
「よっ一織!おめでとう!」
「おめでとさん」
「良かったな!いおりん、夢野!」
やいのやいの、三人が沢山声かけてくれる。
ふと和泉くんを見ると、目があう。
今まで見たことない柔らかい表情で、頬をピンクに染めた和泉くんが、にっこり微笑んだ。