第17章 エンディングのその後は

「こわ…っ」


自信満々に言ってのける斗真に、首をすくめる。



「ここまで相性のいい体には、たぶんもう会えないと思うんだよね」

「………」



本気で言ってると思われるその言葉が、一番怖い。


「冗談だよ」


本気だ、絶対。





初対面のあたしに。


『ふたりで共有したいんだよね』
なんて。
悪びれもなくいい放った透だもん。
もともとふたりで同じ体を共有できれば満足なんじゃ……。



「やだなライちゃん、冗談だってば。目が怖いよ？」
「お前はじめっから來に噛みついたし、信用ねぇんじゃね？」
「やだなぁ、あれはライちゃんが斗真ばっかり見てるから嫉妬したんだよ」



「えっ！？」


「ん？」
「それだけっ？」
「うん、他に理由ある？別に俺、SMとか興味ないし。あ、でもライちゃんとならいいかも。今度縛っていい？」
「………」
「それなら目隠しとか」
「さすが斗真」

「………」


おかしい。
絶対おかしい。
あたしまだ未成年。
高校生。



「………やっぱりあたし、ひとりがいい」


間違えたかな。
初恋の相手。


「まだ言ってんのお前」
「１日どころか数時間もたなかったじゃん」
「泣いてたくせに」
「素直じゃないなぁ」


逆にそのアクティブ思考。
尊敬します。




「っつーか、ハラ減った」
「……あたしも」
「お前がグダグダしてっからだろ」
「はぁ？」
「なかなか泣きついてこないんだもん、ライちゃん」
「おかげで出向いてやったんじゃん」
「空腹に勝てなかっただけじゃん斗真」
「３大欲求なめんな。勝てっこねーよ」
「生きてくために必要だもんな」



つまりはあたしは食欲と同レベル？