• テキストサイズ

愛玩彼女

第17章 エンディングのその後は


「隣、どーするの?」
「どーするって?」
「斗真、戻るの?」
「は?なんで」


「なら、あたし借りていい?」




弟たちを見送って、部屋へと戻った数分後。
ふたりにコーヒーを順にテーブルへとおきながら何気なく問いかけた疑問。




「「は?」」



見事なまでに。
ほんと鏡でも見てるかのような仕草でコーヒーを持つと、ふたり見事なまでに同時にハモる。



「だって、使わないんでしょ?」
「だからってなんでお前が使うんだよ」
「ひとりでゆっくり寝たい夜もあるの」
「寝てるじゃん、いつも」

「抱き潰されて寝ちゃうのと、ひとりでゆっくり寝る、のは全然違うんだってば!」


優雅にコーヒーを飲む姿もやっぱり鏡にでもうつしたよう。


「毎晩毎晩、あたし高校生!体力持たないのよ」


ひとりだけでも絶倫なのに。
ふたりとか。
それが毎晩なんてさすがに無理すぎる。


「善処するよ」

「どの辺を?」
「抱き潰さないように」
「……」


ズレてる。
わざと言ってんの、それ。



「だいたいさ、お前はいったいなんて言ってほしーわけ?」
「ぇ?…っわ」

ぷくーっと膨れていれば。
後ろから回ってきた腕にフワッと抱き抱えられ。
気付けば。
斗真の膝の上。


「よいしょ、っと」

「………」


さらに抱き抱えられ、体を反転させられれば。
正面から斗真と向き合うように、距離も一層近くなる。


「來」
「………っ」
「俺たちがお前に指一本触れなければ満足か?」
「え」
「ひとりで寝たいならいいよ、寝て」

「…………っ」



「使いたいなら使えば隣」



表情変えずに。
真逆なことを言っちゃうんだ。
さっきは駄目って。


「………」


「それで満足?ライちゃん」

/ 280ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp