第18章 Chapter 17
二人の戦いは長いようで短かった
アドオンは再起不能になりバッターは重い体を地面に落とした
ザッカリーは鼻歌を歌いながら剣に付いた血を布で吹いていた
ピクリとも動かないバッターを見て嘲笑った
「なあんだ、バッターって簡単に倒せるじゃないの」
「…」
「しばらくそこで寝っ転がってていいぜ?
指くわえて見てればいい…かつてのオレのようにさ」
バッターは悔しそうに歯ぎしりをしていた
動かない体を必死に動かそうと力を込めていたが毒が体に回って上手く力が入らない
くそ、くそっ!
ザッカリーには勝てると思っていた
油断していた
彼が商人であることを舐めていた
道具を使うのに長けていることを分かっていなかった
逃げてくれプレイヤー
...声すら出せない俺の願いなど届かないだろうが
バッターを煽る行為に満足したのかクルリとプレイヤーの方に向いた
プレイヤーはビクリと肩を跳ね上がらせた
「さてさて…アンタはオレに聞きたいことがいっぱいあるだろうね」
「……最低」
「最低?へへっ随分と酷いこと言ってくれるじゃないの」
「当たり前でしょ!?騙してて楽しかった?さぞ滑稽だったでしょうね!!」
怒りと裏切られた悲しさ、疑うこともなく信じた自分が愚かで悔しい
彼が全ての機能を握っている時点で何故疑わなかったのだろうか
完全にザッカリーのペースに呑まれてしまった
「待て待て、アンタ勘違いしてるぜ」
「じゃあ何が目的なの?意味がわからない…」
ザッカリーはゆっくりとこちらに向かってくる
近くにいたらヤバイ気がして後ろに下がる
「こ、こっちに来ないで…」
「プレイヤーは俺にとって女神なんだよ
どれだけバッターとポジションを変わりたかったことか!」
「近寄らないで…気持ち悪いよ…」
「ああ、ああ、アンタは何もわかっちゃいない!分かるはずもない」
話が通じない初めて見るザッカリーの姿に混乱する
何をいってるのか理解できないし理解したいとは思えない
ゴツと背中に壁が当たる感覚がした
端までまんまと追い詰められたわけだ