第17章 Chapter 16
ミシリ、ミシリと崩れた壁の破片を踏む音がする
男はゆっくりとこちらに向かってくる
「おいおいそれ以上近づくなよバッター」
男はその声にピタリと止まった
そして首をかしげた
「どうしてお前は邪魔をする」
心底不思議そうに隠しきれてない怒りを込めながら低い声で言った
そんな様子の男にザッカリーは「ハハ」と軽く笑った
「怒るなよ神聖なる浄化者さん」
「そこをどけザッカリー」
「退けど言われて退くとでも?」
「お前は理解者だと思っていた」
「なんのことかさっぱりだなあ
……いいかい?オレは簡単に物事を終わらせたいんだ
あんたがこの場から姿を消してくれれば解決するんだよ」
三つ数える内に消えろとザッカリーは脅す声で言った
1
2
3
バッターは動かなかった
予想した通りだとザッカリーはヤレヤレと首を振った
これから戦うにしてもアッチにはアドオンが2体も居て簡単に倒せる相手ではない
相当レベル上げもしたみたいだし直ぐに終わらすことは恐らくないのだろう
「プレイヤーこっちに来るんだ」
バッターはこちらに向かって手を伸ばしている
だけどプレイヤーはそちらに行く気は一切ない
「貴方が浄化活動止めたら…」
その言葉にピクリと眉を動かした
「浄化を…?何故だ?この世は汚れにまみれていると言うのに」
「浄化しなくてもいい人まで浄化するのが嫌なの…」
「デーダンのことか?アイツは他人を奴隷としか見てない悪意を持った男だ
暴力的で彼らを追い詰めている本人だ」
「違うよ…違うの…彼は素直になれなくて……」
「素直になれないからってバーント化させるのか?
なあプレイヤー、お前にとってなにが正しいんだ?」
ううっ…ダメだ!
口下手な私じゃ話で勝てない
どうしようかと悩んでいた所にザッカリーが助けてくれた
「まあ…あんたがやってることも“やり過ぎ”なんだよな」
「お前もだろ悪どい商人」
ザッカリーはピシリと固まった
そして聞いたこともない恐ろしい声で「いつから気づいた?」と問う
その問いに対しバッターは口をニヤリと笑みを溢した