第11章 Chapter 10
デーダンは隣にいるプレイヤーを見て一瞬だけ安心したような顔をしてキッと顔をしかめた
「テメエ…テメエはあいつの仲間じゃなかったンかよ」
つまりデーダンは“何故俺を助けた“と言いたいわけだろう
「馬鹿じゃねえか」そうデーダンは静かに言った
「貴方に…デーダンにどうしても生きてほしかった」
「お人好しも行き過ぎだぞお前…」
「自分のエリアを愛し、他人を大事に思っている
そんないい人が死ぬなんてあまりにも残酷な結末だと思ったんです」
「このボケ、お前みたいな頭のネジが抜けてる奴は覚えてねえかもしれんがアイツらは俺を恐怖の対象と見てるんだよ
あのまま消えちまった方が良かったかもしれねぇってのに…」
不穏な空気にヤフェトがため息をついた
「お前はありがとうの一言すら言えないのか」
「あ?ンだと!?このアホ鳥が」
「この娘が守ってくれなかったら今頃お前とZONE1は消えてたのだぞ」
デーダンは顔を真っ赤にして何かを怒鳴っていたがヤフェトは煩そうにするだけで耳を傾けはしなかった
呆然としているプレイヤーに向かって謝った
「すまない、コイツは正直になるのが苦手だから矛盾が多い男なんだ」
「だ、大丈夫です…分かってますから…」
「そうか」
ならいい、とヤフェトは薄く笑った
しかし何かを思い出したのか気まずそうに下を向いて口を開いた
「私としたことが…先程は失礼な態度をとってしまった、許して欲しい」
まさか謝られるとは思っていなかったので慌てて大丈夫だと伝えた
そういえば何故か最初のヤフェトと比べると空気が冷たいものから暖かいものになった気がする
「さて…長話はここらでおしまいにしよう」
ヤフェトが腰を上げた
それが合図のようにデーダンも立ち上がった
「私は侵入者と話をつける、デーダンは自分のエリアに戻りなさい」
「言われなくたってわかってンよ」
「して、お嬢さん…貴女はどうするつもりだ」
…私は何をすればいいのだろう?
できればヴァレリーの体からヤフェトを出したいのだが
本当は自分の情報と引き換えに取引するつもりだったのだけれどソレは後回しにされてしまったし…
「侵入者に私も会いに行きます」
「…理由を聞いても?」
「し、知り合い…かもしれないんです………」
ヤフェトは察したのか拒否することはしなかった
