• テキストサイズ

【FHQ】勇者の物語

第9章 王の射手


「もう行っちゃうんですか?」
「ごめんな。俺も仕事があるし、大事な商売道具を放置して来たから」

キノシタさんは颯爽と馬に乗って、来た道を戻って行ってしまった。

「もっと話したかったなあ……」

俺はただ広い草原を眺めて呟くと、馬車が動き出した。

「カゲヤマは周囲の警戒に戻れ」
「ウス」

イワイズミさんの指示で、カゲヤマは馬車の上に上った。

馬車は出発した時よりも少し速度を早めて走行する。
ワイバーン以外の魔物の襲撃に遭う回数を減らす為だ。

順調に行けば、予定よりも早く伊達街に着けるが、一筋縄で行かないのが旅だ。

クロオの置いて行ったケットシーの残存兵に度々襲撃を受けて、結局、予定とそんなに変わらずに到着した。

伊達街は高いコンクリートの城壁で囲まれていた。
本当に崖の上に立っている。

伊達街近辺は巨大な岩石が乱立して、時々クレーターらしき窪みを見た。

馬車が門に近付くと、詰所で身分証の提示を要求された。

カゲヤマとケンマも身分証は持っていた。

門が開き、馬車で城壁内に入ると、














むせ返る様な煙と悪臭が、俺たちを襲った。










/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp