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【FHQ】勇者の物語

第11章 7日間


ヒナタが目覚めたのは僅か1時間後。明日まで寝続けるのでは無いかと思うぐらいの深い眠りだったが、彼の場合、特殊らしいな。今に始まった事ではないが。

その1時間でイワイズミさん、カゲヤマ、コヅメを連れて来れるわけもなく。
ヒナタが目覚めてさらに1時間経った時に3人は、今度はモニワさんとカマサキさんが探し出してくれた。

全員が揃ったところで、最初に行うべきはヒナタの治療だが、実を言うと本格的に執り行うのは明日からである。今日はもう、日が沈んでしまったからな。

地下シェルターは広いし部屋数も多い。ただ、日が当たらないので日の出と共に起きるのは難しい。

俺、ヒナタ、イワイズミさん、カゲヤマ、コヅメの5人は、広い間取りの一室で茣蓙を敷いて円を作って座っている。
この部屋には何もない。意味もなく掘られたような、そんな部屋だ。
位置も普段から人が通らない場所にあるため、ここで話す事が他人に知れることはない。

ヒナタは明日の治療に必要な栄養剤等を、500mlのスツール缶にストローを刺して、ちびちびと飲んでいる。栄養剤の味は飲んでいる本人の表情から読み取らずともわかる。何度も不味い不味いと言いながら飲んでいるから。

進みは遅いが、これぐらいが丁度いい。

俺たちが集まった理由はただ一つ。

俺が7日間、何をしていたのか、話さねばなるまい。

ずっと心配してくれていたヒナタの為にも。


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