• テキストサイズ

【FHQ】勇者の物語

第10章 工業の街



コンコンッ

突然、部屋の扉がノックされた。ケンマが売店に行ってからそんなに時間は経ってない、はず。

「はーい!」

とりあえず返事を返すのは礼儀だ。

コンコンコンッ

まだノックしてくる。

「いますよー?」

コンコンコンコンッ

なんか、……不気味だ。

俺がもう1度声をかけようとしたら、扉の向こうの気配が変わった。

ドンドンドンドンドンドンドンドンッ!

「っ!?」

軽快な音はどこへやら、凄まじい勢いで扉を叩いてくる。
ドアノブがガチャガチャと動き出し、衝撃で扉が小刻みに揺れてる。そのうち取れそうで怖い。

「誰だよお前!!」

俺は思わず叫んだ。
すると急に、しん……、と場が静まり返る。

それも束の間。

カリカリカリ……

次は扉を引っ掻く音が聞こえてきた。

そして、

「……けて、……あけて」

消え入りそうな声が聞こえてくる。

幼い女の子の声だ。

ケンマに絶対扉は開けるなって言われてるし、そもそも動けないから何もできない。

「ごめん、俺今動けないから開けられない。用があるなら自分で開けて?」

ガチャッ

/ 130ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp