第3章 〜君を見つけた〜
『どうした?桜奈?鳩が豆鉄砲
みたいな顔してるぞ?』と父の鷹介。
目を見開き口を開けたまま
固まる桜奈の顔をみた家康は
口に手の甲を当て『ぷっ』と吹き出した。
(/// Σハッ!私、今笑われたよね?
えっ、そんな変な顔してたの?///)と
慌てて、俯いた。
『ごめん、ごめん、固まってるのは
私のせいなのよ。桜奈に家康君の事
伝えてないの、うっかり忘れてたのよ』
とペロっと下を出し
『昨日、伝えそびれて、朝話すつもり
だったのに、今朝は今朝で栞の部屋を
少し整理するのに、バタバタしてたら
また忘れちゃったのよ。ごめんね桜奈』
とサラっと言う千里。
(はっー?ママ、なんで、そんな大事な
ことを伝え忘れちゃうかなー?
それに、二人とも家康君って呼んでる。
///いや、私は、無理。よりによって家康って。
呼べない、絶対、呼べない!///)
軽いパニックで、色んな事を
ぐるぐる思い始める桜奈。
テンパる娘をよそに
『ハハハ、なんだ、そうだったのか
そりゃそんな顔になっても仕方ないか。
初対面で、いきなり一緒に暮らすなんて
聞かされたら、確かに驚くよな。
まぁ、でもとにかく、そう言う訳だから
最初は、不慣れでもそのうち
一緒の生活も馴染んでくるだろうし。
家康君が慣れるまでは、桜奈も
色々と目を配って、生活に不自由が
無いように協力してあげてくれ』
と、サラッと言う鷹介。