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また、恋してくれますか。

第17章 〜他生〜


『初恋?』と家康。
(まただ、初恋の相手だから、自分も
会いたかったって言うの?)

『あっ、いや。何でもないです。
とにかく、しぃちゃんが会いたがってたことに
変わりないから、今のはスルーして下さい』
と、あたふたしながら答える桜奈。

後一歩、聞き出せない家康は
焦ったくなり『兄貴が初恋の相手なの?
(あんたの)』まじまじと桜奈を見た。

(ヤバイ!バレちゃった?どうしよう
でも、誤魔化さないと。
しぃちゃんは、私にだってずっと
黙ってた想いだし、勝手に人に言うわけには。
でも、上手く誤魔化せるかな・・・)
今まで、誤魔化しても家康にはすぐにバレてきた
経緯があり、どう言えばいいかと
困ったように、険しい顔になって行く桜奈に

『あっ、いいの。いいの。ちょっと気になった
だけだから。もし、初恋の相手でも兄貴は
モテるから、あんまオススメしたくないなって
思っただけ。モテるけど、今までも本気で
付き合った相手はいない気がするし。
来るもの拒まず、去るもの追わずな感じだし。』
(あー、ほんと、我ながら姑息だ。
でも、兄貴が誰にも本気にならないのは
事実だし。嘘はついてない。)

『えっ?そんなにもてるんですか?小田先生。
本気で付き合わない人なんですか・・・』
(どうしよう、しぃちゃん弄ばれたりしない?
告白するの止めた方がいいのかな?でも大人だし
高校生に手なんて出すような人には見えないし)

今度は、どんどん不安そうになって
行く桜奈に
(えっ?本気で狙おうとしてんの?)
と気が気でない家康は、あらぬ妄想で頭が
いっぱいになって行く。
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