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また、恋してくれますか。

第9章 〜秘密〜


『えっ?』と、自分の頬に手を当てる桜奈。
(えっ?私、泣いてるの?)
『あれ?何で?目にゴミが入ったのかな?』
自分が泣いていることにすら、気づかないほど
衝撃を受けた桜奈。

焦って、『あれ?なんで、おかしいな
どうして?』拭っても拭っても、溢れる涙。

そんな姿をみた家康の身体は
勝手に動いて、気づけば桜奈を
強く抱きしめてた。

抱きしめられたことに『えっ?』と驚き
桜奈の涙は止まった。

家康の逞しい胸とほのかに香る
家康の匂い、すっぽりと包まれた感触は
どこか懐かしく、心地良かった。
このまま、永遠にこの腕の中に包まれて
いたいとさえ思った。

(でも、ダメ!)この感情も行動も
小夏さんを傷つける!そう思った桜奈は
手を胸に押し当て、自分を引き剥がそうとした。

けれど、それを拒むように、更にぎゅっと
家康は抱きしめ『ごめん。最低な奴だって
思ってもらって構わない、でも、あと少し
ほんの少しでいいからこのままでいさせて・・
・・・桜奈・・・』
そう言って桜奈を、更に強く抱きしめた。

そして、出会って初めて名前を呼ばれ
桜奈は、凄く嬉しかった。
でも、こんなふうに抱きしめられて名前を
呼ばれることは、きっともうないし許されない。
そう思うと、さっき以上に悲しくなり
また涙が溢れた。

(徳永さんは、好きになったらダメな人だった。
それなのに、こんなに好きになってる
ダメなのに、困るのに、それが分かったのに
好きになる前の気持ちに、戻ってくれない・・・
どうして?・・・お願いだから戻ってよ
こんな苦しいの、無理だよ・・・私には・・)

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