第2章 シャボンディ
ライとジャンは男部屋へ案内されて行った。
さすがに全員のせてもらうわけにはいかないから残りのクルーは後ろをついて来ている。
「はぁ…暇だぁ…」
読んでいた本を隣に置きゆっくりと伸びをした。
ふと、考える。
"トラファルガーと初めて会ったのっていつだっけ…"
天井を見上げ時間を遡る。
「何してんだ。」
「あ、トラファルガー…」
扉が開き不健康そうな顔が入ってきた。
「いや…あんたに会ったのっていつだったかな〜って思ってね。」
「……そんなに前じゃねェはずだ。それに、お前から来たんだろ。」
「そうだっけ?」
本当は会った時の事は覚えてる。だが、自分がしてしまった事を認めたくないだけなのだ。
「あの時は確か…海軍に追われる、仲間とは迷子になるっていう頼りねェ船長だったな。」
「う…っうるさいっ‼今はマシでしょ‼?」
「多少な…」
そう、あの時はまだ賞金が掛かって間もない頃。クルーはライとジャンとあたしの3人だった。
ライは強くなるために自分から船に乗る事を望んだ。
ジャンはたまたま立ち寄った店のコックで、オーナーから追い出された時に勧誘した。
最初は頼りなかったが今は背中を預けられる存在だ。
「あん時はまだ3人だったか?」
「そうだね。そっちも少なかったよね?」
「あァ。お互いまだ今みてェに怖がられるような海賊団じゃなかったな。」