第1章 責任感じてるんスよ
「ただ、地区予選で当たるので来てみたが正直話にならないな。」
ふーっと緑間っちが一息ついたとき、校門の方からチリンチリンと自転車のベルが聞こえてきた。
「緑間、テメェ!渋滞でつかまったら1人で先に行きやがって、山田は山田でどっか行っちゃうし、なんかもう超恥ずかしいだろうが!」
「山田って、まさか・・・花子っち?秀徳行ったんスか?」
「あぁ。まさかあいつが本当に受かるとは思っていなかったがな。」
へぇ、緑間っちが誘ったんスね、意外っス。
オレは一瞬笑った緑間っちの顔を見逃さなかった。
「正直、オレ責任感じてるんスよ」
花子っち大丈夫なんスか?また学校通えるようになったんスか?真剣に緑間っちを見ると、リアカーに乗りながら口を開いた。
「大丈夫かどうかはオレには分からない。ただ、あいつは今秀徳でオレらのマネージャーをしているということくらいだ。」
だからオマエが気に病む必要など全くないのだよ、そう言い残しチャリ(ん?リアカー?)で去って行った。
(「山田って中学んとき不登校だったの?」)
(「あぁ、少しな。」)
(「なんで?」)
(「オマエには関係ないのだよ。」)
(「教えてくれたっていいじゃん!」)
(「・・・思い出すだけでへドが出るのだよ。」)