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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第9章 そういうことか






第4Qやっと黒子が出てきた。
だが出てきたところで高尾がいる限り何もできない。そして高尾のホークアイからは逃げられない。


そう思ったと同時に高尾は黒子を見失ったのか、気付いたときには高尾の後ろをするりと黒子が抜けていった。



「・・・・・くそ、そういうことか。」


黒子が前半止められても止められてもパスを出し続けたのには理由があった。高尾の意識を自分に集中させ、視野を狭めることでミスディレクションを効果的に発揮するためだったのか。


・・・・・全く、どこまでもすごいやつだなと思ったのも束の間、キセキの世代しか取れなかったイグナイトパスでボールが火神の元に渡った。



「絶対に行かせんっ!!」



しかしオレの意とは反し、火神のダンクは決まる。
そこからはもう誠凛の勢いに飲まれる一方だった。


高尾のホークアイをものともせず、消え続けてパスを出す黒子。



「タイムアウト、秀徳。」



残り約3分。
78-76 あっという間に1ゴール差にまでつめられてしまった。



「まさかここまで追いすがるとはな。」


「緑間くんは昔ダンクを、2点しか取れないシュートと言っていました。」



あぁ、今だってそう思っている。
そして黒子は続ける。



「君のシュートは確かにすごいです。けど僕はチームに勢いをつけたさっきの火神くんのダンクも点数以上に価値のあるシュートだと思います。」



そのときオレは何も言い返すことができなかった。


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