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溺愛執事の恋愛事情

第3章 お嬢様、バイトする


さっきまで全然動いてくれなかった反動とも言うべきか、ハイセが最奥を擦り上げたその瞬間。
ハイセをきつく締め付けたのが自分でもよくわかる。


「だから、締めすぎなんだって……っ」
「だって気持ちよすぎ、て……っ、むり……っ」
「俺も、無理」
「……っ」
「ごめん手加減、無理だわ」



誰かと抱き合うことがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
誰かを愛することが。
愛されることがこんなにも気持ちいいなんて。


ハイセが全部教えてくれた。


だから。


あたしも。
ハイセに返したい。
返したかった。
だけど何を返せばいいのかわからなくて。
何をあげれば喜んでくれるのか、わからなくて。
だから。

だから。



「愛してる、ハイセ」


伝えたいって思ったの。
まっすぐな気持ち。

伝わったかな。


伝えられたかな。


「えぇお嬢様、僕も愛しています」


そう、この目。
あたししか知らない、この目。
あたしをうつしだす、そのレンズが。
そのレンズ越しに見えるあたし自身が、ハイセを好きだと語ってる。
ねぇハイセ。
あたしの目にうつるハイセも、あたしを好きだと言ってるかな。



「ハイセ、キス、したぃ……っ」
「いくらでも」

噛み付くように重なった唇も。
絡み合って離れない舌先も。
甘い蜜の音を響かせて繋がるその場所も。


みんなひとつに溶けちゃえばいい。
境界線なんかわかんないくらいに、ひとつに溶けちゃえばいい。


愛してる。
愛してる。


言葉なんかじゃ足りない。


どーすれば伝わる?
伝えたい。
あたしがどれだけあなたを好きか。
愛してるか。



「ハイセ………っ」


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