第10章 お嬢様の一大決心
━━━━━ドクンっ
ドクン ドクン ドクン
吐き気がする。
目眩が。
クラクラ………する。
「皇ちゃんっ!?」
隣を歩く姫と、望月さんが叫んでる声が、遠くに聞こえて。
割れそうな頭を抱え込んで。
その場に座り込んだ。
きっかけは。
家電量販店のテレビから流れてくる、何気ないニュース。
ドラッグ所持で逮捕………とまぁ、特になんの変哲もないもの。
だけど聞き覚えのある会社名。
名前。
に、一瞬画面に目を向けた。
途端に。
画面に写し出された写真を見た、瞬間に。
走馬灯のように記憶が頭の中を通りすぎていき。
感触も。
恐怖も。
一瞬でリアルに蘇って来たんだ。
「━━━━━お嬢様っっ」
すぐに駆け寄って、震えるあたしをその腕に抱え。
周囲の興味本位な視線の中。
ハイセはそのまま車の中へと運んでいった。