第7章 お嬢様の涙
「……はいせ、に」
「うん」
「ハイセに、もっともっと、触れて欲しい……っ」
「………それだけ?」
「いっぱい、キス、したぃ……」
「うん」
「………たくさん、たくさん愛して、欲しい……っ」
「━━━━っ!!」
もう、どーでもいいと思った。
理性とか我慢とか。
そんなものくそくらえだ。
ずっとずっと愛しくて。
触れたくて。
大切で。
自分の手で守ってきた、女の子。
自分の手で。
今のこの瞬間。
壊してやりたい、と、本気で思った。
「仰せのままに」
ゆっくりと、自分のシャツのボタンに手をかける。
バサリと白いシャツを床へと落とすと。
「覚悟はいい?」
蕩けた表情のままに俺を見上げる皇の唇を。
欲望のまま貪った。