第13章 悲しみと、不甲斐なさと
ティアナが話し終わってもリヴァイはしばらく黙ったままで、
何を言われるか分からない恐怖があった。
それでも話したのは、きっとティアナも抱えきれなかったから
だろうと思う。
もし責められたとしても、そうじゃないと否定してもらったとしても、
自分の中で落としどころが決められないから。
人に自分の罪を決めてもらいたかったのかもしれない。
そうティアナは自覚して、何て浅ましいのだろうと思った。
「…ティアナ、それは傲慢だ」
「…え?」
リヴァイの予想外の返答に―返答に何を求めていたのかという
話になるけれど―驚いて、ティアナはいつの間にか俯いていた
顔を上げた。
「確かにお前は優秀だが、デリオとイーゴンだってかなりの手練れだ。
その二人より自分の方が実力があるなんて思ってねぇよな?」
「はい、もちろんです」
「その二人がそれでも喰われたってんならそれほどの脅威だったって
ことだろ。…ティアナが早く戻っていたら、とかそれ以前の問題だ。
そんな時でも生き抜けるように訓練を重ねるんだ」
「…はい」
まさに指摘された通りで、ティアナは何も言えない。
否定でも肯定でもないリヴァイの答えにティアナはまた救われた。
心の負の部分に見て見ぬふりをして蓋をするのではなく、
ちゃんと向き合っていける力と考え方をリヴァイは示してくれたのだ。