第11章 キミ色フォルダ Root Green
どうやらニノは俺が振られたと知って、心配して来てくれたらしい。
もしかして、だから女装姿のままだったのかな?
だって俺より先にうちに着いてたんだよ?
それって、きっと着替える時間も惜しんで駆けつけてくれたってことだよね。
そこまで心配してくれたなんて嬉しいけど、反面ちょっと不思議で。
だって俺たちはそこまで仲が良いわけじゃない。
ニノは一生懸命励まそうとしてくれるけど、なんでここまでしてくれるのか理由が分からない。
でもその答えはすぐに知ることが出来た。
「俺…雅紀が好きだ…」
突然の告白に、最初は何を言われたんだかよく分からなかった。
だってまさかこの流れで告白されるなんて思うわけないじゃん。
でもそのまさかだった。
「恋愛対象として好きなんだ」
ニノの顔は緊張で強ばってて。
声も震えるし、体も震えてた。
それでもその目は逸らされることなく、まっすぐに俺を見つめていて。
どう見ても本気っぽくて。
驚きの連発だった今日の中でも、最大級に驚いたけど。
「驚かせて、ごめん…こんなこと言われても気持ち悪いだけって分かってるけど…本当にごめん…」
やっぱりニノに対して気持ち悪いなんて感情は全然なくて。
上手く回らない頭の片隅で、だからうちまで来てくれたのか…なんて考えてた。