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イロイロ【気象系BL】

第11章 キミ色フォルダ Root Green



でもニノは女装にはあまり触れて欲しくなさそうな空気を漂わせてて。

ならその格好で来るなよと思わなくもないけど…まぁ、きっと何か事情があるんだろう。

何とも言えない空気に、いたたまれなくなって。

「あー、えっとさ。今日はどうしたの?わざわざうちまで来てくれるなんて、何か急ぎの用事でもあった?」

話題を変えようと、もう1つの疑問を投げ掛けてみる。

これで空気も変わるかと思ったのに、何故かニノはますます困った顔になってしまった。

え?何で?
これも聞いちゃダメな質問なの?

でも用もないのにわざわざうちまで来ないだろうし…

え?俺に会いに来たんだよね?
俺に言えない用事でうちに来るっておかしくない?

ニノの不可解な反応に首を傾げていたら

「あの…雅紀が彼女と別れたらしいって聞いて…」

さんざん躊躇ってから、その理由を教えてくれたんだけど。

「え?!なんで知ってるの?!」

俺はかなり驚いてしまった。

だって、俺が彼女に振られたことを既にニノが知ってるって…

別れたの、ほんのついさっきのことだよ?
本当に何で知ってるの?

「クラスの女子が偶然見たって…それを俺も聞いちゃって…」
「…そっか、見られてたんだ」

はぁ、まさかクラスの女子に見られてたなんて…

校内であんな話してたのが悪いのかもだけど、本当にどこで誰に見られてるか分かったもんじゃない。

この手の噂は話が回るのが早いから、きっと明日にはみんなに知られてるんだろうな。

別にいいけど…俺が振られた方だからちょっとかっこ悪い。

それにしても、あんなに落ち込んでたのに。
ニノの女装が衝撃過ぎて今の今まで忘れてたことにも驚く。

思い出しちゃえば、また気持ちは沈んでいくんだけど。

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