第2章 一戦を越えて
「ンでさぁ、そんときのあいつの顔が傑作でよぉ~!」
校舎の裏で普段は持ってきてはいけないケータイを少しでも隠そうという気が無さそうに大声で電話をしている、少年の元に不審な影がゆっくりと近づく。
「…じゃあな~」
少年はケータイをしまうとその影の存在に気がついた。
「…なんだよ、ゴミくせえと思ったら学か」
学はその言葉になんの反応も見せずにゆっくりと脚を進める。
「そんな怖い顔すんなって!アレは遊びだろ?」
「…遊び?アレが…?」
学の脳裏に次々と少年がいう『遊び』が浮かび上がってくる。
学は靴をジャリ、とならし進めていた脚を止めた。
そして、少年にあるものを投げて渡した。
「………っ!?」
少年はそれを手にするや、一気に顔が青くなる。