第10章 しろくろ *後編*
コトン、パチン、パチン、パチン、パチン、パチン
……コトン、パチン、パチン、パチン
「そこまで」
最後の一手を光秀さんが置き、ひっくり返したところで勝負がついた。盤面を見る限り、やっぱり微妙な勝敗だ。
「それでは、それぞれ駒を回収しながら数えてください。駒の多い方が勝ちです」
お互い、ひぃふぅみぃと数えながら、順調に駒を回収していく。
「数え終わりましたね。では、太郎さん」
「俺は三十だった」
「十兵衛さん」
「三十四」
「負けたかぁ。なぁ、もう一戦やらないか?」
オセロがお気に召したのか、十兵衛さん相手に二回戦目が始まった。