愛のカタチ~貴方と見る世界~【ONE PIECE】
第2章 出会いは突然に
「オレは、トラファルガー・ローだ。酒がマズくなる…失せろ。」
そう言ってローは、海賊の頭をポンッと外へ放り投げた。
「あれは!死の外科医!」
「オペオペの実の能力者か!」
「億超えのルーキーか!」
「ノースブルーの海賊か!」
騒ぎを見ていた客が、次々に口を開いた。それを聞いたリンは思った。
(…死の外科医?トラファルガー・ロー?)
「…もう、終わったぞ。」
抱き寄せていた手を緩め、ローは声をかけた。すると、その瞬間、リンはヘナヘナっと座り込んでしまう。
「おいッ!」
「…怖かった…ありがとうございます……ヒック…」
彼女の瞳からは大粒の涙が零れていた。ホッとしたのだろう。それと同時に瞳の色はまた変化していた。ローは、その涙の美しさにハッ!とするが、今日知り合ったばかりの女の、涙を拭ってやることはできない。
(なんて美しい涙なんだ…それにまた瞳の色が変化した…)
「泣くな。他にケガは…してないようだな?」
ローは、彼女の頭をポンポンっと優しく撫でた。見たところ、唇からの出血以外に怪我をしているところはないようだ。
「はいっ!大丈夫です!」
リンはそう言って、今度はローに飛びっきりの笑顔を見せたのだった。
(…泣いてたと思えば、この女は…なんなんだ…)
戸惑いながらも、彼女の笑顔が見れたことに、ローは口元を少し緩めた。心から、ローはその瞳の色を美しいと思った。キラキラした宝石のような虹色の瞳を。
そうこうしていると、奥から、何事だ!と店主が出てきて、店内の様子を見て仰天した。
テーブルはいくつか壊れ、椅子も脚が折れて使い物にならない。あたりには酒瓶が転がっている。
「酔っ払いの海賊が、あんたんとこの女の子に絡んだんだよ。」
「それを、アイツらが助けたのさ!」
周りの客が次々に口を開く。すると、店主はローたちの所に近寄ってきた。
「店員が迷惑をかけましたね、申し訳ありません。助けていただいたようで。今日のお代は結構ですから。」
「いや、こっちこそすまなかったな。これで、修理なり、新しく買うなりするといい。」
そう言って、ローは大金を店主に向かって放り投げた。
「ペンギン、シャチ!帰るぞ!伸びてるベポを連れてこい!」
「了解!キャプテン!」