第1章 出会い
船へ戻ると、ドラゴンが待っていた。
「君が…そうなのか。私は革命軍リーダーのドラゴンだ。君は政府から、その瞳の色だけで、危険因子と見なされ追われている。我々革命軍に、君を政府から守らせて貰えないだろうか?」
「なぜ、私が追われるのか、理由を教えて貰えますか?」
「数百年前、君と同じ瞳の色の女性が、ある国を滅ぼしたと言われている……」
「女性が一国を滅ぼせるものなの?」
コアラが口を挟んだ。
「そう、言われている。その女性が死ぬ時こう言ったそうだ。『何百年後かに同じ瞳の色を持った者が産まれてくる。その瞳は、再び国を滅ぼす』と。」
その話は、世界政府に伝わる、いわば伝説のような話なのだが、ずっと信じられてきた。
「いま、私がその血を引いている、だから国を滅ぼす前に始末しようとしている…そういうことなのですね…」
リラの瞳に悲しみの色が宿る。
「だから、君の命を我々に守らせて欲しい。」
ドラゴンが頭を下げた。
「…ありがとうございます…お願いします。」
リラも頭を下げた。
「確実に守るために、革命軍に入って貰えないか?」
さらなるドラゴンの願いに驚いたが、守って貰えるなら、近くの方がいいと考え、受け入れた。
「身寄りもないですから。革命軍に入っても、私にはサボさんやコアラさんのような仕事はできません。それでも?」
「構わん。これから見つけていけば良い。」
かくして、リラは革命軍に入ることになった。
「サボ、コアラ、面倒見てやれ。守るんだぞ。彼女が一国を滅ぼすような人に見えるか?滅ぼすような理由がなければ滅ぼされるわけがない。政府はその理由を伏せている。都合が悪いからな。絶対に政府に渡してはならんぞ。頼んだ、二人とも。」
「「はい、ドラゴンさん!」」