第4章 もう一度触れたくて
何度も角度を変えた深いキスを繰り返しながら、サボは彼女をベッドに寝かせた。
リラの足の間に自分の足を入れ、覆いかぶさるように、キスを続ける。
上手く呼吸ができず、苦しそうなリラに気づき、チュッ、とリップ音を立てて、唇を離した。
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
肩で息をしている彼女を他所に、涼しい顔でサボはリラを見下ろす。
「上手く呼吸が出来ないところも、可愛い…」
潤んだ瞳を向ける彼女にそう呟いて、サボはリラの額に軽くキスを落とした。
その時サボの綺麗な金髪が揺れた。
お返しとばかりにリラは、その金髪にキスをした。
「…はぁ…はぁ…サボ…?」
「ん?」
「なんでもない…呼んでみただけ。」
顔を赤らめてそんなことを言うリラ。
(…おい…可愛すぎるだろ、それ…)
リラの髪を梳きながら、綺麗な瞳をじっと見つめて、サボは言う。
「ホントはこのまま、リラを抱きたいところだけど、我慢だ。俺は明日から二週間ここを離れ、偵察任務に就く。毎日電伝虫かけるから、ちゃんと出ろよ?」
「電伝虫…持ってない…よ?」
「あとで、用意する。わかったな?」
「はい。」
その返事を確認すると、サボはリラの身体を抱き起こし、頭を撫でて身体から離れた。
「これから準備だ。あとで電伝虫持ってくる。」
「なにか、手伝えることは?」
「…大丈夫。俺の心の中にいてくれれば。」
そう言い残してサボは彼女の部屋から立ち去った。
サボが準備のため、自分の部屋を出入りしていると、コアラに出くわす。
「サボくん、明日から偵察で二週間離れるんだって?」
「あぁ、軍隊長と共にな。」
「それはいいけど…リラちゃんとのことは、どうなったの?ちゃんと話した?」
「ああ、解決済みだ。明日から行くことも伝えてある。そうだ、余ってる電伝虫、二つないか?」
「わたしはないけど、他のメンバーにでも聞いてみれば?」
「そうする。コアラ、俺がいない間、彼女を頼むぞ。」
「了解。気をつけて。」
「あぁ。」