第38章 Doll House -小さな主-3
幼い子供の頃…春輝と隼人様と私の3人並んで手を繋いで歩いている後ろを《あのお方》が隼人様を〘ナニカ〙から守ってくださっていたのだと、今ならわかる。
(あの頃の私は本当に無力でした…あんな思いは…もう二度ごめんです…)
魔女様方2人の間でされるがままに揺さぶられている隼人様が困ったように私に助けを求める。
「朝輝~助けて~」
『やっぱりかわいくなるためにはフリル~☆はずせないよね♪』
『いや…やはり髪を結って、こう…派手に姫の様にじゃな…』
『姫っぽくするなら淡い色がぜっ~たい!かわいいよ♪』
『何を申すか白陰!そんなわけが―』
あまりにも白熱した闘いになりそうでしたので主人の為止めに入る…
(お二人共甘いですね…隼人様が何を着たら1番可愛いかなんて…隼人様には少し大きめな私のワイシャツに決まってるじゃありませんか!)なんてけして言えませんが…
「わかりました。お二人ともその辺にして下さい。《マリア》の部屋に着きましたよ。」
―彼らにきちんと見ていただかなくては…
《マリア》が宿ったかどうかを…―
―コンコン…―お嬢様失礼致します。朝輝にございます。旦那様がいらしております。よろしいでしょうか?―