ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
「……っ!?」
その時、熱を持つ部分の奥底がゾクゾクし始めた。
続いて腰と背中にもその感覚が走る。
瞬く間に心臓の動きはバクバクと速くなって、視界はふわっと霞みだした。
出ちゃう…っ
僕がそう思った瞬間、
初めて感じた時よりも強くて激しい快感が、下腹部から頭までを突き抜けた。
「……うぁあっ!!!!」
ビクンビクンと何度も脈を打つ僕のソコから、白い液体が勢いよく放たれた。
「……How amazing!」
初めての時と全く比べ物にならないくらいの強い快感に、はあはあと全く落ち着かない荒い呼吸を繰り返しながら天井を眺めた。
まだボヤける視界の端でディノが動いたかと思うと、僕の頬に人差し指を滑らせた。
何をしているんだろう…
僕がボーッと考えていると
「……うん、とても芳醇な良い味だ」
何が…、なんて今の僕にすらわかる。
この間はドロッと手に流れる程度だったのに、今日は僕の顔に飛ぶ程すごい勢いだったんだ。
するとディノの顔が近付いてきて僕の顔を舐めた。そしてそのまま唇が重なる。しばらく舌を絡めるとディノは僕の耳元で話し始めた。
「…アッシュ、本物の快楽を覚えられたようだね」
「……っ…は…あ……」
「そして今の快楽は、ユウコと得たものだということもわかっただろう?先程も話した通り、快楽と愛は直結する…だから愛し合う者同士は“セックス”をする」
愛し合う者同士…?
「…まだいまいち頭が働いていないようだな、では普段のお前の思考を先回りしよう。性行為は2つの体さえあれば物理的に行うことができる。…それが同意でなくともね。だが、愛を持ったセックスはそれだけで意味合いが変わるものだ…お互いの愛と快楽を分かち合う行為に」
「………あ、い…」
「あぁ、そうだ。お前はクリスと私のセックスを見たとき、自分が思っていた性行為とのギャップに驚いたのではないか?…それは、私たちのセックスが愛のあるセックスだからだよ。愛のあるセックスは、今しがたお前が感じた快楽とは比べ物にならないほど強い。セックスは“痛いこと”などではないのだ、お前にとっても…ユウコにとっても……おや?」
「……」
あまりの疲労感に意識を保てず、僕はゆっくり目を閉じた。
舌に残るのは、僕のよく知る不愉快な男の味だった。