ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
《アスランside》
ユウコにいつもの挨拶をして僕は部屋を出た。ジョセフとエレベーターに乗って1つ上の階に行くと、ある部屋の前にクリスとマークがいた。
「…あっ!アッシュだぁ!Mr.ハリソンが遅れてるんだって、だからパパが先に部屋で待ってるようにって」
「うん」
「じゃあマーク、またあとでねっ?」
マークとジョセフが去るのと同時に僕たちはその部屋に入った。2人で並んでソファに座る。
「ねぇ、一昨日観たドラマの話だけどやっぱり俺は主人公の友達が2人の仲を引き裂こうとしてるんじゃないかと思うんだよね………って、アッシュ聞いてる?」
「…っ…あ、ごめん」
「どうかした?」
「え?」
「ボーッとしてるっていうか…あっ、もしかして緊張してる?大丈夫、適当に話してセックスが始まれば気持ち良いって声出してれば良いだけだから。でも最初のMr.ハリソンはちょっと痛くしてくるかもだけど…」
「…え、そうなの?」
「でも、そこは俺がなんとか誘導するから」
こんなの嫌だ…でもどうせ逃げられないんだから我慢するしかない。それに、痛いのなんかいつも通り…。
すると、僕の手にクリスの手が重なった。
「…っ?」
「…アッシュ、本当に大丈夫?」
心配そうに僕の目を見つめるクリス。
「うん…大丈夫、ごめんね」
「そう?それならいいんだけど…俺、実は今日を楽しみにしてたんだ。パパからアッシュと一緒だって言われてからずっと」
「…え?どうして?」
「だって……っ…や…仲良いじゃん、俺たち」
「クリス?」
顔を真っ赤にさせたクリスは僕から目をそらした。部屋にベルが響くとクリスは勢いよくソファから扉に駆けて行った。
「すまない、急な会議で遅れてしまった」
「こんにちは、Mr.ハリソン!僕…来ないのかと思っちゃったよ」
「ハハ…いじめて欲しくてうずうずしていたのか?」
クリスはもう2人で話していた時のクリスではなくなっていた。ハリソンはそんなクリスのお尻をギュッと掴んだ。
「…んッ!」
「おぉ、そっちのがアッシュだな?…これまたすごいのを見つけてきたな、ムッシュウは。あの額を提示するだけあるじゃないか」
「…はじめまして、Mr.ハリソン」