ヤマネコ-ノ-ツガイ【アッシュ】BANANAFISH
第14章 消えない傷
はっと大きく息を吸ったアスランは、私の目を見つめて噛み付くように唇を重ねた。
『ふ…っん!…ぅ…ッ』
さっきまでとは比べ物にならないくらい、強く求められるようなキスだった。あの男たちによくされた凶暴的なキスと似ているようで違う。
至近距離のアスランを見ると、その緑はじっと私の黒を射抜いていた。そして私の様子を伺いながら、ゆっくりベッドに倒され舌を根元から絡めとられる。
アスランから感じられる熱と吐息に心がギュッと締め付けられた。体の熱を支配する何かがじわじわと広がって、脳はビリビリと痺れていく。
アスランが両手で私の顔を押さえつけ、耳をするっと撫でた時、
『…んぁ…ッ!?』
あの男たちに触れられていたような部位には一切触れられていないのに、それと同じようでもっと柔らかい快感が一気に私の体を駆け抜けた。
力が入らなくなったのが伝わったのか、アスランは唇を離した。
『…っん……はあ…はあ…っ』
「っは…あ…あれ…?…ユウコ?」
ぼーっとする頭でも名前を呼ばれていることは分かっているのに、返事が出来ない。真っ赤な顔をしたアスランの目を見つめていると、アスランはふっと目を細めてちゅっと音を立ててキスをした。
「目が戻ったね…、体大丈夫?」
『…ん、』
私はなんとか頷いて、自分の指で耳に触れてみる。あの気持ち良さはもうなにも感じられなかった。…あれはなんだったんだろう。
体に残る気だるさと快感の余韻に、私はゆっくり瞼を閉じた。
「…おやすみ、ユウコ…」
あいしてる
温かくてこそばゆい心地良さに吸い込まれて、次に目が覚めると部屋には朝日が差し込んでいた。