第31章 解りあいたくて…
翔「…俺…間違ってたのか…?」
雅「え?」
翔「あの男と和也が抱き合ってるのを見て…俺カッとなって和也を責めた…そのせいで和也は自分を責めて…」
アイツは潤を殺そうとした…
そんな奴と和也が…
その事が俺は許せなかった…
雅「そんなに気にしなくても大丈夫だよ翔ちゃん。後は智兄に任せよう」
翔「…なあ雅紀…」
雅「何?」
翔「和也は何であの男と会っても普通に接していられるんだ?いくら同級生だからといっても、アイツは潤を殺そうとした男だぞ?」
雅「んー…俺もよく解らないけど…」
翔「…やっぱり和也が潤のプロポーズを断った訳は、アイツがいたから…」
違うと解っていても、その事が俺の頭からは離れなかった…
もし仮にその通りだとしたら…
和也をもうこのまま…
雅「…翔ちゃんは和の事信じられない?」
翔「…えっ?」
和也の事を…?
雅「ねえ翔ちゃん…ストーカー事件の時の事覚えてる?俺が翔ちゃんを避けてた時の事…」
翔「えっ…うん…」
ストーカー事件…あの時俺を心配して依頼を止めてくれたのに、俺は依頼を受けて…雅紀と暫くすれ違ってしまった…(「ひとつ屋根の下」第70~79章)
雅「あの時ね、俺葛城さんと翔ちゃんの行為の写真を見て、翔ちゃんは葛城さんが好きなんだって思ったんだ…けど和は『そんな訳ないでしょ!』って俺の事怒ったんだ…」
翔「えっ…」
和也は俺の事を…信じてくれていた…
雅「きつい言い方かもだけど、あの時の翔ちゃんと今日の和…何処か違う?」
翔「あれは…俺の意思じゃ…」
雅「…和もだよ…翔ちゃん…」
和也も…あの時の俺と同じ…