• テキストサイズ

同じ屋根の下で【気象系BL】

第27章 虹の袂


太郎が死んでから数日後、俺達はあるマンションに来ていた

<ピンポーン>

「はい…どなたですか?」

雅「…西川さんですね?大野何でも屋の大野雅紀です…」

「あっ…な、何のご用でしょう…」

目線を反らし動揺していた西川さんの前に、俺は小さな陶器の器を差し出した

「…これは…」

雅「…太郎です…先日キクばあちゃんの跡を追うかのように亡くなりました…これは火葬した後の太郎の骨です」

俺がそう言うと、西川さんは驚いた顔をして

「なっ!こ、困ります!そんな骨なんか持ってこられても…!」

雅「…キクばあちゃん言ってました…『太郎は息子が初めて私の為に贈ってくれたの…だからこの子は私の宝物…もう1人の息子なのよ』って…」

「えっ…お、おふくろが…」

雅「お願いします…出来るだけ、ばあちゃんの側で眠らせてあげて下さい…」

翔「法律上、ペットを同じ墓に入れる事は違法ではありません…けど、宗教の関係で一緒には出来ない事が多いですが…」

西川さんは差し出した俺の手から、そっと太郎の骨壺を受け取り

「…ありがとうございます…」

そう言って頭を深く下げてきた

その目にはうっすらと涙が滲んでいたようだった…

そして俺達は西川さんのマンションを後にした

智「大丈夫か?太郎は…」

和「大丈夫でしょ…きっと…」

うん…俺も信じてる…

そう思っていた俺達の目前に

潤「あ…虹だ」

青空に綺麗に映えた虹が出ていた

ばあちゃん…今ごろ太郎と一緒に虹を渡ってるのかな…

太郎…ほんの少しだったけど楽しかったよ…

ばあちゃんと幸せにね…

/ 465ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp