第25章 a mistake(5)
あの後、どうにかして回避出来ないかと思い
翔『声聞いたら一発でバレるだろ!』
って言ったら
和『ああ、それもコンプレックスにしたら良いですね』
…と上手く切り返され結局…
翔「はぁー…マジかー…」
女装させられ、俺は姿見の前でため息をついていた
和「何盛大にため息ついてるんですか。似合ってますよ?翔兄さん」
似合ってないっ!
雅「ううー…心配だよー…こんな可愛い翔ちゃんが狼の群れの中に…」
…こいつはこいつで訳の解らない心配ばかりだし…
智「じゃあ翔くん、男が接触してきたら会話の録音忘れないで頼むな」
翔「解った…」
ちゃんと証拠は残しておかないと
潤「翔兄さん、気を付けてね」
雅「やっぱり心配だから、俺送っていく…」
和「何言ってるんですか。男と一緒にいる所を見られたら意味ないでしょ」
渋々事務所から出て、用心の為離れた所からタクシーに乗って、弥生さんが男と出会ったというbar『ソンスルチプ』に入り、中の店員に1人だと告げ、カウンターの端に腰掛け男が現れるのを待っていた
…が、俺が入店してから約一時間…声をかけられる処か、それらしい人も見当たらなかった
ここまで待って来ないって事は、今日は無理かもな…
もしかして、来たけど俺は眼中になかったのかも…
そうだ!そういう事にして、明日以降は和也か智くんにやってもらおう!
和也なら俳優なんだから演技はお手のものだし!
そう思って帰ろうとしたその時
「君1人?」
そう言って、男が声をかけてきた