第15章 空から落ちてきた天使(9)
ー2日後ー
「色々とありがとうございました」
空の母親が今日退院になり、突然潤の病室に訪ねてきた
智「わざわざこちらまで来られなくても…」
和「まだ無理はいけませんよ?」
母「いえ…元はと言えば私が子供を手放した事が原因で、弟さんも巻き込まれてお怪我をされたとか…本当に申し訳ありませんでした…」
潤「そんな事ありませんよ。これは自分の不注意なんですから、お気になさらないで下さい」
…優しそうな人だな…気遣いも出来るし…
翔「…雅紀…」
雅「…大丈夫…ありがとう翔ちゃん…」
空「だー、まー」
空は久しぶりに会った母親の側に行きたいのか、そちらに手を伸ばしていた
母「まーくん、今までごめんね…」
そう言って母親は俺から空を受け取り、抱き締めていた
…まーくん?
翔「あの…良かったら、この子の名前教えてもらえますか?」
母「真実の真に希望の希で『真希(まさき)』って言います」
…へ?
智「えっ?こ、この子『まさき』って言うんですか?」
母「はい…それが何か?」
雅「そっか…真希って言うのか…俺と同じなんだ…」
母「え?そうなんですか?」
まさか同じ名前だとは思わなかったな…
和「これからどうするんですか?」
母「はい…主人ももう暫く入院になりますし、1人では心細いので、近くにいる私の実家に行くことにします」
潤「それが良いですね」
母「本当に皆様には子供の事でお世話になりました。お礼は主人が退院してから改めて…」
そう言って原口さんは深く頭を下げてきた