第15章 空から落ちてきた天使(9)
翔「お前に心当たりがないなら、俺からそれとなく聞いてみようか?」
潤「んー…いや、良いよ。退院しても変わらないようなら、俺が自分で聞くから」
翔「…解った…じゃあ俺達は何も聞かないから」
潤「うん、ありがとう…雅紀兄さんは大丈夫?」
雅「えっ?な、何で俺?」
いきなり俺の事を聞かれて、思わず驚いちゃったよ
潤「だって、翔兄さんが心配してたからね。雅紀兄さんもここの所元気がないって」
雅「え?」
翔「じ、潤っ!余計な事言うなよ!」
し、翔ちゃんも俺の事心配してくれてたの?
俺、そんなつもりなかったのに…翔ちゃん、俺の事見ててくれたんだ…
雅「翔ちゃん、ありがとう…気にかけてくれて嬉しいよ…」
翔「だ…だってお前、ここ最近イヤに静かだからさ…何かあったのかな…って思って…」
う…それって普段の俺は煩いって事だよね…翔ちゃん…(涙)
潤「何か心配事?」
雅「そうじゃないけど…もうすぐ空ともお別れなんだな…って思うと…さ…」
潤「あ…」
空の為にも、早く本当の両親の元に返してあげたいけど…
そんな俺の心情を察したのか
空「まんまー、だー」
俺に向かって手を差し出してきた
潤「…雅紀兄さんの側に行きたいんだね。はい、雅紀兄さん」
雅「…うん…おいで空…」
空「あー」
俺が空を抱っこすると、きゃっきゃと喜んでいるようだった
潤「…空のご両親はいつ頃退院出来るの?」
翔「旦那さんの方はもう暫くかかるけど、奥さんは明後日には退院出来るって…」
あと2日…それで空ともお別れ…