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沖矢昴はお兄ちゃん【名探偵コナンR18】

第3章 それぞれの心中





「後は任せたそ、風見」


「はい、お疲れ様です降谷さん」



背後からその言葉を受け止め、自身の愛車に向かうべく歩き出す。


月に数回だが、溜まっている仕事を片付けに本庁に出勤するのだ。
今回は用事もあって来たのもあるが。
既に時計は次の日に突入している時間だ。
まぁ、いつもよりは早めに帰れただろう。


愛車に乗り込み、エンジンをつける。



やはり沖矢愛香と言う人間について、特に変わった情報がなかった。
沖矢昴同様に、だ。
まるで新たに人物を作り上げたかの様にーーーー。



まぁ、いずれその化けの皮はいでみせる…。
沖矢昴=赤井秀一であったなら、沖矢愛香は恐らく奴の仲間
だろう。



愛香から絞れるだけ情報を絞ってやるさ。
そしていずれ僕の日本から出て行ってもらう。


だが、もし一般人であったなら…
消えるのは俺になるかも知れないな…と苦笑を1つ零す。



車を走らせ、遠回りしてセーフハウスである1つである家に帰る。



やっと気の抜ける時間だ。
降谷零ーーー安室透ーーーバーボンーーー
3つの顔がある自分は家にいる時にしか気を休める時間がないと言っても過言ではない。


常に周りを意識し、張り詰めていないと自身だけではなく関わった者をも危険にさせてしまう仕事なのだ。


だからこそ、特定の恋人を作らないし仕事が恋人だと思っている。
愛は自身を滅ぼすと思っているからだ。


だが、今日…正確には昨日だが、初めて彼女を見た時によく分からない感情に支配されたのが不可解だった。
そしていつもはもっと慎重に行動するはずなのに、思い切った事をしてしまった。


それもこれも、沖矢昴の存在のせいだ。
奴のせいできっと今日一日彼女の事ばかり考えているんだ、そう仮説を立てる。

彼女の声が感触が匂いが…忘れられないなんて。



とりあえず今日は休める時に休んでおこうと思い、ソファーに身体を沈める。
彼女に一通メールを送るのを忘れずに。



安室透はマメな男だからな…なんて考えながら自然と瞼が閉じた。



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