第17章 初めてのデート

「おい！貸切ってどういう事だ？！」

店の入口で何やら騒ぎが起こっている。

「今日はこちらのお客様で貸切で…」
「こんな小さい海賊だけで貸切なのか？どかせればいいだろ！」
「……いい事思いついた」

リオがニヤリと笑うと酒瓶を持って椅子から立ち上がって入口で騒ぐ男達の元に行く。

「お兄さん達、どうしてもここで飲みたいの？」
「なんだこの女、お前も海賊か？」
「ふふ、そうだよ。ねぇ…私と勝負しない？」

リオの声にローは彼女が何を考えているかわかる。

「船長、まさかリオの奴…」
「あぁ、面白いのが見れそうだ…」

店の奥での会話がリオ達には届かず、リオは笑顔で酒瓶を男に投げ渡す。

「私と飲み対決しましょ。最後まで潰れなかった人がここで飲む。潰れたら店の外に出す、どう？」
「女のくせに俺に酒対決か…いいぜ、ついでに俺が買ったら一晩付き合ってもらうぜ」
「いいわよ。ついでに後ろの人も相手にしてあげる」
「乗った！てめぇら負けるんじゃねぇぞ！」
「ふふふふ…」

やる気を出した男達を見ながら笑うリオ。

「おい、リオ平気なのか？」

シャチが小声でリオにそう聞くがリオは満面の笑顔で

「4人いるけど全員合わせても巨人族より飲めないわよ。私も全然飲み足りないし」
「あれでか…」

既にビールを樽１つ分は飲んでいるリオだが、まだまだ飲み足りないようだ。

「お店のお兄さんに樽１０個用意するように言っといて。平和的に潰すから」
「わ、わかった…」

シャチが離れたのを見たリオは適当な椅子に座る。

「公平を期す為に同じお酒、互いが飲み終わったら次のお酒をもらう。どう？」
「いいぜ、早く酒もってこい！」

男の声にお店の人がリオを含めた５名分のお酒を持ってくる。

「じゃあ…スタート」

リオの言葉に飲み対決の火蓋が落とされた。