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記憶の断片【進撃の巨人】

第1章 第1章


「今日から娘さんを担当………」






『なんで……貴方が』



ドアを開ける前から震えていた手が更に震えるのが分かる。それに今の私の顔はとても青ざめてると思う。
ずっと探していて早く会いたい、そう思って今まで色々な手を尽くして探した人。
その人が今目の前に立っている。



私が一緒にいた時より遥かに若い気がするがあの三白眼、それに私よりは大きいが男性平均からしたら少し小さい身長。



間違えるわけがない
私がずっと探していた人










『……リヴァイ兵長…………?』



彼は記憶があるのかもしれない。
名前を呼んだら下を向いていた顔が驚いたように目を見開きながら私を見る。
私はと言うと涙がボロボロと溢れて止まらなかった。
記憶を取り戻してから成人している元仲間たちに世話になりながら彼の居場所をずっと探していた。
これからまた彼と一緒にいられる。







「俺の名前を知っているのはまぁ分かるが"へいちょう"とは何だ。それに何故泣く、ここまで情緒不安定とは聞いてないぞ」


私の考えはすぐに砕かれた。
嗚呼、彼は覚えていない
一瞬で理解出来た。
驚いたのも大きい声で彼の名前を呼んだからだろう。
記憶が無い兵長が家庭教師なんて私は耐えられない。



『ほん…とうに覚えていないんですか……ねぇリヴァイ兵長…!嘘ですよね…!ハンジさん達のことも覚えてますよね?!ねぇ、兵長!!』


頭で分かっていても認めたくなかった。
彼が記憶を取り戻していないなんて。
彼の肩を揺らしながら本当に覚えていないんですかと絶叫に近い声を上げる。



「おい……!俺はお前の事は知らねえ。そのハンジと言う人物も知らねえ!大体だから兵長って何なんだ!」



驚きながらも丁寧に絶叫に近い質問に丁寧に答えてくれる兵長。そしてその質問の答えは斬れ味のいいナイフとなって私の体に突き刺さる。



『本当に…覚えていない…んですね』



諦め…と言うよりかは絶望の方が大きかった。
神様は意地悪だ。
よりによって大切な人の記憶にはもう私はいないのだから。



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