第8章 裏/どこにいたって
「じゃあ、俺は先に行くな」
「えー、もう帰るのか?」
「この後ちょっと用事があってな。あんたも楽しむのはいいけど程々にな」
「鬼龍さん、また来てくださいね」
俺はカウンターを立ち、会計を済ませてから店を出た。すると店の前には鉄がいた。鉄は弟分であり、仕事上の部下だ。
「大将、お迎えに来たっすよ」
「わざわざ来なくてもいいんだぞ、鉄」
「いいじゃないっすか、俺が来たかったんすから!」
「あのな…」
「ほら大将。車に着替えも用意してあるんで!」
鉄に促されるまま駐車場に向かって、ワゴン車に乗り込んだ。鉄は運転席について、運転をしだした。
「今日は早く終われるといいんだがな…」
俺はスーツに着替えると、一緒に後部座席に置かれていたアタッシュケースを開けた。中には愛用の拳銃が入っていた。まあ、俺はどちらかと言うと拳派だから使うのは稀なんだけどな。
早く今日のケリをつけてぇな…